中国へ留学していた時に、現地で10年いたのに話せなかった人の例から、どうすればいいのか解決策を探っていきます。
あなたは語学留学について、どんな意見をお持ちですか?少なからず興味があったからこそ今このページをご覧になっているんだと思います。
私は現地中国で生活していると、よくこんな事を言われることがあります。
「留学したんだ・・・うらやましい。」
「留学した人って違うよね・・・」
「ちゃんと勉強した人は発音が違うよね。」
というような意見です。
確かに語学留学というと、専門で勉強するために現地へ渡航するので、それなりの覚悟がいりますし、お金もいります。
それに返ってくる見返りも期待大です。
でも、本当に中国語が身に着けられるかどうかは、留学するかどうかがポイントではありません。
留学時に聞いた衝撃の一言
今私は、中国人の妻が国語の先生なので留学はしていませんが、留学していた2012当時、毎日おびえながら留学生活を送っていました。
一体何におびえていたのかと言いますと、以前留学していた学校の先生がある日突然口にした言葉におびえていました。
「私が知っている〇〇さんは、留学して10年以上になるが、まだ全然中国語を話せません」
この言葉に衝撃的で、本当にこのままで中国語を身に着けられるのだろうか?
という恐怖と戦っていました。
ではなぜ〇〇さんは、10年以上も現地で生活しているのに話せないのでしょうか?
「それは、自分からアクションを起こしていなかった事です」
実は、現地で生活し勉強しているからと言って、必ずしも中国語に接する機会が多いとは限りません。
ではその証拠として、仮にあなた自身が留学している様子を思い浮かべてみてください。私が留学していた時の一日を今から再現します。
・朝8時30分から授業があるので、それに備えて、起床します。
・朝ご飯を自分で作って、自転車に乗り、学校まで向かいました。
・時々マクドナルドに行ってコーヒーを買います。
・朝の8時30分から12時までは、みっちり授業です。
・授業が終わった後は、食堂で昼食を取ります。
・昼食が終わったら、自転車で帰宅し、昼寝をします。
・夕方にスーパーに行って、食料を調達(買い物)します。
・夜ご飯を食べて一日は終了です。
何気ない一日なのですが、例えばスーパーで買い物をするとき、
duō shǎo qián
多 少 钱 (これいくら?)
という単語だけ知っていれば買い物が出来てしまいます。
学校まで自転車で行ってしまえば、バスに乗ることもないので、まったく中国語に触れずに学校まで着けます。
日本人とルームシェアをしていれば、家では日本語で生活します。
このように、中国へ留学していても、実際には日本での生活とさほど変わらない現象が起きてしまうのです。
先ほど言った10年も留学していて全く話せないという人は、まさにこの例が当てはまります。
全く持って留学生活が無駄になってしまっているのです。
ですから、あなたが今中国への留学を考えていて、有意義に現地で留学生活を過ごすためにも、現地では自分からアクションを起こしていく必要があります。
例えば、買い物やその他の時に積極的に現地の人に話しかけてみるとか、分からないことはわかるようになるまで先生に聞く等です。
これは留学に限らず、日本で中国語を勉強していく上でも大切な事です。
確かに日本では生活していて中国語を使う機会は留学生活よりも少ないかもしれません。しかし、日本への中国人観光客は年々増加していますし、私も帰国したとき毎回驚かされるのは、日本全国中国人だらけなんです。
ですから、私は帰国したときに積極的に中国人に話しかけて練習しました。
中国語で話しかけると、相手はとても喜んでくれるので、楽しいですよ。
今逆に妻と日本でいると、日本人から中国人だと思われますし、中国人も私たちを見て中国人と思い込んでいるので、話しかけてもあまり意味がありません。
ですから、留学を試みようとしている初心者の今が!!
行動する時なんです。
短期留学で心がけたい自分スタイルの中国語とは?
中国語留学と言っても、5年や10年という長期スパンでは考えておられないかもしれません。
多くの方は、半年や1年程度の短期留学を目標にされています。
では、もしあなたが短期留学を考えておられるとして、現地留学時に出来る最大限の事とは何でしょうか?
それは、短期間で「自分スタイルの中国語」を確立することです。
では、自分スタイルの中国語ってなんだと思われますか?
それは、発音とか話し方が独特だという事ではなく、何を意識した中国語かという事です。
このように考えてみて下さい。
どの電気製品にも、特徴があるはずです。
例えば、トースターについて考えてみましょう。
一番安いトースターというのは、ただ焼ければいいという事だけを考えているので、最低限の機能しか付いていません。
そのため、値段も非常に安いのが特徴です。
もう少しお金を払って買えるのが、温度調整機能付きのトースターです。
更にお金を出すと、機能が色々ついてきて、最終的には電子レンジまでセットになったオーブンレンジにまで発展します。
どの製品にもコンセプト、そしてターゲット層がいて、特化型になっています。
基本機能だけを備えたものですと、とにかく安く買いたいと思っているターゲット層に焦点を絞っています。
オールインワン機能は、電子レンジを買い替えたいけれどもオーブンも欲しい・・・2つそれぞれ持つのは不便・・・という方をターゲットにしています。
ですから、オールインワンというのはすべてのユーザーを対象にしているように見えますが、実際にはターゲット層は明確に絞られているんです。
中国語の勉強でも同じ事が言えます。
自分が何を目的とした中国語を勉強しているのかをしっかりと分析して、その目的に沿った形で勉強していくと、楽しく・そして早く勉強できるようになってきます。
ましては留学というかなりのお金をつぎ込んで学習するスタイルですので、無駄を極力避けたいと思われるのではないでしょうか?
そして短期間留学の場合は、出来る期間が限られています。一日でも無駄にすることは出来ないのです。
それで、もしあなたが留学する目的として、日常会話が出来るようになりたいと思っているならば、もう少しターゲットを絞ってみるのはいかがでしょうか?
より具体的にです。
日常会話も、かなり細かく分けていくことが可能です。
これは仮の話ですが、
・家で夫(妻)と2人だけで話すような会話。
・子供も対象にした話し。
・近所でのたわいのない話(〇〇のニュース見た??のような)
・クラスメートの親と話すような場面。
想像することが出来たでしょうか?
例えば、夫(妻)2人だけを対象とした会話ですと、妻は夫に今日の仕事はどうだったか?
とか、これが欲しいとか、あれがすごい、という会話になるわけですから、自分が普段話している癖を分析してみて、中国語でなんていうかを勉強するんです。
さらに3つめの、近所でのたわいのない話。
「昨日の地震すごかったね・・・」とか「あのニュース見た??」
こんな内容でしたら、ニュース関係の用語に精通する必要があります。
一度にすべてを覚えていくというのは難しい作業です。ですので、基本的な中国語の文法と単語を抑えた上で、自分スタイルの方向で、勉強を進めていくことです。
そうすると、自分は何について詳しくてよく話題にすることがあるのかが見えてきます。
もちろん自分の傾向を掴むのも重要ですが、学びたいと思っている方向を絞るのも、短期では効果的でしょう。
私自身のスタイルというのは、中国で死ぬまで、今後も生活をしていかなくてはいけないので、とりあえずすべての分野で成長していく必要があります。
目指すべきは、すべての人をターゲットにしたオーブントースターです。
実際販売されているオーブントースターのターゲット層は狭いですが、私のターゲット層は、すべての中国人です。
一番難易度が高く、時間がかかる作業です。でも中国で生活し、中国人の家族を持ち、ここで生き抜くために最低限必要な項目なのです。
ですから今私が更に上のステージへ行くために必要なのは、最近の会話の傾向を分析しつつ、いつ、どこで、何を言いたいときに言えなかったのかをしっかりと覚え、そこを地道に強化していく勉強方法を取り入れています。
今この文章を読んでくださっているあなたも同じで、
自分にとって苦手だな・・・
とか
これがどうしても言えない・・・
というような時はしっかりと記録して、そこから強化していくと、少しずつですが確実に進歩していきます。
では今あなたが留学前にやれることとは何でしょうか?
短い現地での期間をフル活用するために今準備出来る事は何でしょうか?
じっくりと考えてみられることをお勧めしたいと思います。