中国語を日本で勉強しているとまず初めに
qǐng duō guān zhào
请多关照
「よろしくお願いします」というフレーズを勉強するかと思います。
でも本当にこのフレーズは本当に中国で使うのだろうか?と迷った事はありませんか?
なんか使わないって聞いたことあるけど本当か分からない・・・そんな疑問に今回は答えていきます。
文化を知ってこそ使い方が分かる
この疑問に答えるには、 中国現地の文化をよく理解する必要があります。
テキストと現実は違うなんていうことも言われたりしますので、現実的な会話はとても重要になります。
例えば、外国人から見たら日本人はやたらペコペコしてるというイメージがあるものです。
私の中国人妻から言わせれば、
「なんで話している時に いつも首が動いているの?」と疑問に思ったようですし、最近は慣れたようで彼女の首まで動くようになりました。
言語も日本的な文化を取り入れて中国語を学ぶことにより、実は日本風な中国語スタイルになってきます。
その一例が、今日紹介している「よろしくお願いします」っていう単語です。
中国語ではご存じのように
qǐng duō guān zhào
请多关照
日本で中国語を学んでいる人は、必ず習う単語だと思います。
私も当然習いましたし、日本で販売されているテキストには ほとんど紹介されている中国語を代表するような文です。
これだけ重視されているという事は重要単語だと思いがちなんですが現実はどうなんでしょうか?
初対面で使うことはまずない
これは現地に住んでいるからこそ分かる事なんですが、初対面でこの请多关照を使うことは まずありません。
私が中国で暮らした5年以上の時間の中で、一度も聞いたことはありませんし中国人が使っているのを見たこともありません。
この点について以前わたしの妻である本場の中国人に聞いてみたところ次のような回答が得られました。
「有人对你说请多关照,你有什么感觉?」
誰かに请多关照って言われたら どう思う?
するとこう答えました。
「非常外国人」
すっごく外国人が使う単語・・・だそうです。
どうやらあまり日常では見慣れない単語・用法のようです。
実は私も中国に来た当時は使ったりした事があったのですが、反応があまりにも悪かったので、これはおかしい・・・と察知し、以後使わなくなりました。
別の中国の方にもお聞きした事がありますが、请多关照と言われると、「構えてしまう・・・」と言っていました。
ですから現地で「请多关照」を多用するのは避けたいところです。
なぜ日本でこれほど勉強するのか?
请多关照が日本で定着しているのにはそれなりの理由が考えられます。
私たちは日本で生活している限り、日本の文化を受けて育ちます。
よって、中国語のテキストも日本のマナー文化を考慮して「よろしくお願いします」という表現をあえて追加しているというのが原因として挙げられます。
つまりこれは日本で生活して中国語を覚え、日本で中国語を使うのなら、请多关照!は必須となります。
「よろしくお願いします」って言わなかったら日本では失礼ですからね。
中国にもよろしくお願いしますに相当する単語はある
では、よろしくお願いしますに対応する単語はないのでしょうか?
ちゃんとあります。
これです。
duō duō zhǐ jiào
多 多 指 教
直訳してしまうと、今後もたくさん教えてください!
といった表現になりますが、つまり日本人が使う「よろしくお願いします」という意味も含んでいます。
ですから、今後中国に行って使う場合は多多指教を使うのも一つの方法です。(もちろん使わなくても大丈夫です。)
日本で中国語を使いたい!!という方は、引き続き请多关照を使っていきましょう。
中国で見つけた请多关照
では、中国ではもともと请多关照は存在しなかったのか?というとそれは間違いになります。
请多关照という単語が存在する限り、使うシーンは確実に存在します。
例えば、
★会社など非常に正式な場面での自己紹介には使う事もあるそうです。
また以前私が中国で生活していて、とあるタクシーのダッシュボードにこんな1文を見つけました。
临时停靠请多关照。
これが中国現地で唯一見つけた请多关照なのですが、つまり「一時的に駐車しているだけなのでその辺理解して下さい」という意味の語句です。
「これはつまり・・・一時的に駐車しているのでよろしくお願いします」
という風にも訳せます。
つまり日常の自己紹介の時には使いませんが、とりわけマナーを意識したようなシチュエーションでは使えるという事です。
まとめ
中国本土で一般の自己紹介の際に请多关照を使う事はあまりありません。テキストで頻繁に使われるのは、テキストが日本でのマナー文化を考慮に入れている事や、ビジネスシチュエーションを想定している事が原因と考えられます。
しかし、だからといって请多关照は日本向けに作られた専門用語ではなく、現地ではとりわけマナーが求められるシチュエーションで使われている事を覚えておいてください。
更に中国語の挨拶に関してお知りになりたい場合は、ブログカテゴリー中国語挨拶を参照して下さい。
ここまでご覧いただきありがとうございました。