中国語リスニングのコツ【※重要すぎて危険です】

中国語のリスニングを強化したいと思っている人は沢山います。聞き取れないとはどう言う事なのかを理解できれば、コツはすぐに掴むことが出来ます。このページを読み終わるころには、中国語のリスニングに関する疑問のほとんどが解決することをお約束します。

中国語の聞き取りを今すぐ解決

中国語を学んでいる人の中には、「リスニングがどうしてもうまく行かない・・・」と悩んでいる方が多いのが事実です。私も中国語を初めて聞いた時は、全くの雑音でしかありませんでしたし、ある程度出来るようになっても、あのトーンに耳が慣れず、脳が雑音として処理しはじめ、ずっと聞いていると、脳が限界に達してきました。

そして、もうだめだ!!と言わんばかりにお気に入りのJ-POPを聞いたり、テレビを見たりして、「やっぱり日本語はいいなー」とくつろぐ事がしょっちゅうでしたよ。

 よくリスニングをどうしたらいいのか?という質問に対して、「聞けば聞くほど慣れる」という意見が多いと思うのですが、正直な所そんな事は分かっているはずです。

リスニング攻略の為の下準備

中国語のリスニング力が付かない人にとっては、ある「気づき」が重要になります。

新しい発見をする

まず初めに当たりを見回して、黒い物を見つけてみましょう。例えば、ノートパソコン、マウス、着ている服の一部が黒だったりするかもしれません。

全部でいくつ見つかったでしょうか?最低でも5個くらいは見つけてみましょう。見つかったら他の色も同様に試してみてください。見つけてみると気づくことがあります。

「意外に多いな・・・」 という事と、「こんなところにも黒があった」

という新しい発見。

脳と言うのは、普段気づいていない部分が多いのが現状です。情報が100あったとしても、実際に取り入れているのは10くらいで、その他の90は不要として脳が処理しているので、気づかないことがほとんどです。

しかし、先ほどのように 一度意識的にあたりを見回してみると、「こんなとこにも」「あんなとこにも」と、脳がその事に集中し始めます。ですから、普段道を歩いていて 他人の会話の内容なんて全く気にならないものですが、例えばある人が中国語の勉強方法について話しているならば、すぐに耳が反応するはずなんです。

なぜならば、それは自分の関心事だからです。中国語のリスニングも同じことといえます。ただ単に聞き流しているような 勉強スタイルでは、脳はいつまで経っても雑音として処理し、まったく進歩へとつながりません。

しかし、正しい方法でリスニングをすることで、リスニング力をかなり強化していくことが可能です。

リスニングのコツ

では実際に、中国語リスニングのコツについて話していきます。中国語の聞き取り方は、根本的に日本語と異なる事に注目しましょう。

中国語耳の違い

1、外国人が中国語を聞きとる方法。

2、中国人が聞き取る方法。

3、中国人が、外国人の中国語を聞きとる方法。

 

これら3つの方向性で考えますが、実は言うと、1と3の聞きとる方法は同じです。そしてこの方法は、日本語を聞きとる方法として採用されます。

違いはココです。日本語はイントネーションで聞き取るのではなく、中国語で言うピンインで聞きとっている。 

中国人は、ピンインも重視するが、主に声調で聞きとっている。

つまり あの声調の上げ下げで 聞きとっている部分がほとんどなのです。

 

外国人が話す中国語は、ピンインはあっていても、声調が間違っていることがほとんどです。わたしたち日本人からすれば、2声も3声も ほぼ同じで、少しくらい声調が間違っていようが聞きとれますし、問題ありません。

しかし、このような感覚で勉強し、リスニングをするから問題になります。

この状態で習得するのは、外国人に伝わる中国語で、一番重要な中国人には伝わりません。

 中国人が、外国人の中国語を聞きとる方法

外国人慣れした中国人が外国人の中国語を聞く場合、私たちが声調を重視しない事を知っています。ですから中国人は意識的に自分の耳を訓練し、声調ではなく特にピンインに注目するようになったので、外国人の話す中国語が聞き取れるようになりました。

つまり、自分の中国語力がUPしたから相手は聞き取れるようになったのではなく、中国人の耳が進歩したので、自分の話す中国語が聞き取れるようになったのです。

ですから私たち外国人も声調で聞き取れるようにトレーニングをしないといけません。

面白い事に、真剣に中国語のレッスンをしていくと徐々に外国人の話す中国語が聞き取れなくなってきています。これは声調を主体としたリスニングによって鍛えられた状態なので、本物の中国人へと・・・ 変わりつつある事を意味します。

この際には改めてピンインで聞き取る方法を訓練して行かないと、外国人の話す中国語が本当に聞き取れなくなりますし、日本語すらもすべて中国語のように聞こえてしまい非常に危険です。

聞き取れないとはどう言う事か?

中国語のリスニング力を上げるうえでもう一つ重要なのが、聞き取れないとはどう言う事かを理解する事です。

本気で中国語を勉強している人にとって、リスニングがどれだけ大事かという事は分かっているはずです。ではその重要度を本当に理解しているでしょうか?

誰もが勉強を始めた時は、どうやってリスニングをすればいいのか分かりませんし、本当に効果があるのかどうかなんて、実際に効果が実感できて初めてわかるものです。

私もかつてはそうでした。でも聞き取れるようになってくると、どういう時に聞きとれなくて、どういう時に聞きとれるようになるのかが徐々に分かってきます。

ただ、それも自分の中国語力を分析している人だけに限ります。

本当に話せるようになりたい人は、毎日自分が話せない原因、聞き取れない原因を探し続けているんで見つけることが出来ます。でも、探し続けるのにも時間がかかってしまうので、今すぐにこの点を分析して答えを出していきましょう。

逆の発想で分析

中国語が聞き取れない人にとって、聞き取れる状態が想像できないので、まずは聞きとれる言語から分析していけば、聞きとれるとはどういう状態かを知ることが出来ます。日本人なら誰でも、最低限日本語は聞きとれるはずです。

では日本人が母国語を聞き取れない事はあるでしょうか?そんな事ありえないと思うかもしれませんが、実は母国語でも聞きとれないという事が発生します。

例えばこんなケース。

「ILSを使って着陸を行う際は、グライドスロープから外れないように注意しましょう。」

この文を聞いてまず素人でも分かるのが、飛行機が着陸する時の事を言っている・・・程度です。この文でカギとなるキーワードは何処にあるでしょうか?

ILSを使って着陸を行う際は、グライドスロープから外れないように注意しましょう。

そう、青色で表示した文字。

1、ILS

2、グライドスロープ

それ以外の語句は分かるはずです。リスニングのコツがつかめて来たでしょうか?

もしあなたがILSとグライドスロープが何を意味するのかを知っていれば、この文は100%聞きとれます。

もし、知らなければ その他の語句を知っていても、聞き取れません。

少し専門用語になりますが先ほどのILSというのは、視界が悪い日でも飛行機の計器パネルだけを頼って滑走路に着陸する事が出来る自動着陸装置の事を指します。

グライドスロープとは、計器だけで着陸をする時に、今現在高度が高すぎないか低すぎないかをパイロットに知らせてくれる誘導装置の事で、計器パネル上の指示に沿って降下していけば、視界がゼロでも滑走路手前まで降下出来ます。

こんな風に、ILSとグライドスロープの意味が分かれば先ほどの文が何を言っているのか分かるはずです。

ILSを使って着陸を行う際は、グライドスロープから外れないように注意しましょう。」

意味を掴めましたか?つまり、パイロットに適切な降下高度を維持するように忠告しているという事です。

このように、となる語句を聞き取れるようになれば、リスニング力は確実に上がっていきます。そして、中国語初心者に求められる核というのは、基本となる動詞をはじめとした単語集です。

その核がなければ、どんなに頑張っても聞き取れるようになりません。

ドラマや現地のニュースを見て勉強してもいいですが、まずリスニングを始める前に、基礎となる単語は最低限覚えていく必要があります。(HSK4級程度の単語は覚える必要があります。)

それをしないのは、皮むき出来ない人がプロの料理人が作る料理に挑戦するのと同じことなのです。

その他のリスニング強化法

これらを理解したうえで中国語のリスニングを強化していきます。中国語のドラマやニュースで一方的にリスニングを強化している時は気づかないのですが、1対1の実践となると意外にも聞き取れないものです。

実践の際に、限られた単語力とリスニング力で相手の質問に答えるにはもう一つ重要なポイントがあります。

予想力を最大限に活用するテクニック

日本語で聞いている時は母語で、100%聞きとれるので、聞きとれなかったらどうしよう・・・っていう不安はありません。でも外国語となると、いつもその不安との闘いになります。

当然聞き取れない割合というのは、勉強すればするほど減ってくるわけですが、聞き取れない割合が高い時は、常に相手がなんて言うのかを 予想しながら聞くことで、かなり聞き取れるようになります。

予想するかしないかで、聞きとれる確率はかなり変わります。 

例えば、こんにちは「你好」と声をかけられたら、かなりの確率で何かを聞かれる可能性がありますよね?

 

そして、请问  の後に色々聞かれるわけです。道端でしたら、〇〇はどこですか?とか、〇〇へはどう行けばいいですか?

という質問なので、〇〇在哪里?とか、〇〇怎么走?のような事を聞かれる事が大半です。つまり聞く一番のポイントは、相手が行きたい地名(核となる単語)を聞きとれるかどうかなんです。

前後を聞き取れても肝心な地名が聞き取れなかったという事はよくある事です。

ですから、地名に全神経を集中させて聞く事が重要です。他にも、会話のシチュエーションで聞かれることなんて言うのは、意外にも予想できることです。初めのうちは言えませんが、単語数が増えてくれば少しずつ言えるようになってきます。

当然自分の予想と外れる時だってありますが、経験と共にその守備範囲が広がってきて、いずれはネイティブのように、ほぼすべてが守備範囲となるんです。

予想しながら聞くことを忘れないようにしましょう。

その他過去記事も参照してください。

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まとめ

中国語のリスニング力を上げるには、リスニングとはどういう事で、聞き取れないとはどういう現象なのかをしっかりと理解したうえで勉強に取り組んでいくことが大切です。

そうすれば、他の勉強スタイルも含めてなぜそれをする必要があるのかが見えてきます。また実践の際には、予想しながら聞くことを忘れないようにしましょう。

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