中国の詐欺行為は様々で、国際結婚詐欺、輸入詐欺、ネット通販詐欺、中国投資詐欺等様々です。皆お金欲しさに行う行為ですが、それはどこの国でも同じ事。中国で多いような印象を受けますが、それは人口の多さが原因です。今回は、現地で日常的に行われている軽い詐欺行為について私自身の体験談をお伝えします。このページを見る事で、きっと新しい発見があるはずです。
詐欺の実例
私は現地で生活していますが、よく野菜を購入する際には騙される危険性に遭遇します。
買い物の際に遭遇する例
中国の市場で野菜を買う場合、500g単位で値段が付けられているので、購入する際は秤で必要な量を量って購入します。その秤には、500gあたりの価格、重さ、値段が 秤の前面にデジタル表示出来るようになっている場合がほとんどです。
この際に騙す方法ですが、主に3つあります。
客に話しかけまくる
話しかけまくる方法ですが、話しかけることによって注意をそらし、客が秤を見ていないスキをねらってちょっと盛って売りつける作戦です。
意図的にやっているのか、本当に間違ってしまったのか、まだ定かではないですが、よくある事です。
秤の値を騙す。
秤の値を騙すテクニックですが、ゼロgの状態でもいくらか料金が発生するようにワザと秤のゼロの値を設定しています。
それによって、まず「安い安い」と多くの客を引き付け買わせ、利益を出すわけです。
客に秤の値を見せない
秤が客から見えないところにあるため確認ができず、適当に量って売りつけるもの。
とにかく賢いので、気を付ける必要があります。
対策方法
当然時期によって野菜の値段は違うので、多少の変化はありますが、相手も客を観察しています。
見た目が相場を知らない若い人や外国人なら明らかに騙してきます。よって、騙されないためには、まず価格の相場をよく知る事と、一か所で購入しないことです。
何件か回って相場を確認したうえで購入するなら、騙されずに購入できます。そして、購入する際は話をせずにしっかりと秤を観察する事です。そうするなら相手も騙してくることはまずありません。
パン屋での事例
これらの対策法を理解したところで、実際に詐欺にあった例を紹介します。
ある外国人のT君が、中国のパン屋に入ってパンを買おうとしていました。彼はとっても会話が大好きで、いつも店員と会話しています。もちろん中国語です。その日は、きっと初めて入ったパン屋だったのでしょう。商品を選んで 嬉しそうにレジの人と会話しながらパンを秤に置きました。
秤に表示された額は3元・・・しかし店員が言ったのは、
4元でした。
私は後ろで言おうかどうか 迷ったのですが…会話が楽しそうだったので言えませんでしたし、その時は中国へ来たばかりだったので、現状をよく知りませんでした。
このように、会話が弾みすぎると不意を突かれ、騙されるのです。
ワザと騙されてみた事例
実はわたし自身も騙されたことはあるのですが、騙されているのにこちらが気づいても購入する場合どうなるかお伝えします。
以前違う中国の都市で野菜を購入するときに起こった事件です。私はその日どうしても「えのきだけ」が食べたくて、探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
大体の500gあたりの相場は知っているので、騙されることはまずありません。しばらく探して、やっとの事で見つける事ができ、いくらか尋ねると、500gの単位ではなくなんと
50g単位の価格
を言ってきたんです。恐らくわたしを見て「若ぞう」と知っての作戦です。その時の私は、
「50gで ○○元、って言われても全然わからない、ただ高い気がする」
さらに自分で、これは騙されていると自覚しました。
そこで買うか迷ったのですが、興味本位で買うと言った時の反応が知りたかったので、言ってみました。
「じゃあちょうだい」
相手は高齢のおばあちゃんでしたが、その瞬間!
目を丸くして・・・
ビックリして・・・
その顔には
「本当に買うの?!信じられない」
とはっきり書いてありました。
自分自身のプライドが理由で騙された事例
自分のプライドが邪魔してだまされてしまった・・・という事例もあります。これは2年前くらいですけど、これもまた野菜を購入する際に発生しました。
いつもは妻と買い物に行くので、私は横でほぼ見ているのみですが、この日は自分一人で買い物に行ったんです。ニンジンを買ってくるように頼まれていたので、ほかにも適当に野菜を買った後で、このニンジンコーナーにたどり着いたのでした。
普段あまり買わない人のところだったので、ちょっと心配だったのですが、ここで自分のプライドが邪魔をして心の中で…こう考えていました。
「もう中国で3年近くになるわけだから、話す言葉だって現地の人に近いし、いつもこの市場に来ているので相手も知っているに違いない」
そんな思いを抱きながら店主にニンジンの値段を聞き、普段と変わらない値段である事を確認したうえで、購入を決めました。
自分の予定では1元程の価格でしたが、秤にのせて彼は言いました。
「3元」
私は「3元は高過ぎ・・・500g1元程なのに、たかが3つのニンジンが3元???」
と思いつつも…言い返せずに購入してしまったんです。この時は、秤の値が後ろを向いててて見えないようにしていました。計算してみてください。
つまり、3本のニンジンの重さが1.5㎏という事になります。またしても、若ゾウという事で完全になめられました。
悔しい思いを胸に…帰って妻に告げると、ビックリした様子・・・でも怒りませんでした。
そして数日後に妻と一緒にその店に買い物に行きました。
妻はその店で ジャガイモを買ったんですけど、店主とストレートで交渉して、値切っていました。
失った2元奪還作戦に出た模様です。
結果、1元程取り返すことに成功しました!!
中国での詐欺行為は日常茶飯事
このように、中国での詐欺行為は普通に行われています。
この他にも、私が銀行で日本円を換金する際に1枚ほど銀行員から盗まれたことがあります。100枚ごとに親切にタグを付けてくれていたのですが、そこに安心と信頼を勝ち得る落とし穴があり、私はその場で数えませんでした。数分後に家賃支払いのため数えたところ1枚少ない事に気づきました。
また今住んでいる賃貸住宅でも、私が不在の時に大家さんが勝手に部屋に侵入してきてお金を少しだけ盗むという行為がありました。こういった行為は日本では警察を呼ぶ犯罪ですが、中国では日常茶飯事・・・それを解決しようという思いすら生まれません。
犯罪という意識がない
大きな詐欺行為は明らかに自覚して行いますが、私が経験したような詐欺行為は、相手に罪の意識がない場合があります。中には本当にお金に困っているために盗んだかもしれませんし、小さいころからの習慣(くせ)で行う場合もあります。私自身ももちろん詐欺は容認できませんが、それを騒いだところで何かが解決するわけではありませんので黙認しています。
まとめ
日本では信じられない事も、現地では日常で普通に行われています。中国本土の性質を知ることで、もし詐欺行為に直面したとしても、自分の一生を左右するような大事でなければ、相手がどうしてそのような行為に至ったのか、ある程度は分析することが出来るようになります。
しかし、中国に出かけるときはいずれもこのような可能性があるという事を認識したうえで自己防衛をしていくことが大切です。